『猫=魚好き』は日本人の食生活が生み出したイメージ

 『コラーッ!この、ドロボー猫!!』という声に追いかけられて、必死に逃げる猫。こんな場面を聞くと日本人の多くは猫の口には『魚』が咥えられていると想像するに違いない。だが、本当に猫は魚が好きなのだろうか?

 実は『猫=魚好き』というのは日本人…というより、もともと肉よりも魚を多く摂る食生活を営んできた人々の思い込みに過ぎない。動物性タンパク質を主食とする猫にとっては、それが動物の.肉であろうとかまわない。人間の手元から失敬するのは、たまたまそこにあったからであり、肉であれば肉を、魚があれば魚を盗る。

 日本では、もともと人々が長きに渡って魚を食べて暮らしてきた国民性がある。そんな日本人のそばで暮らしてきた日本の猫は、人間からもらう残飯の中でも、動物性タンパク質である魚を喜んで食べてきたものだ。それが多くの人が自然に『猫=魚好き』の思い込みを作ったのではないだろうか。

 ちなみに猫の好き嫌いというものは子猫の時にどんなものを主に食べてきたことが大いに影響する。マグロ味のフードを多く食べてきた子猫はマグロ好きに。チキン味ならチキン味好きになる可能性が高い。好き嫌いのない何でも言食べる猫にしたければ、子猫のうちに色々な味になじませておくほうが良いようだ。

猫の主食は動物性タンパク質

本当のところ、動物の肉でも魚の肉でもどちらでも構わない。