飼い主に対してでも野生の「身を守る習慣」が残っているから。
さっきまで夢中で遊んでいた猫が、突然オモチャを放り出してトイレに飛び込むようにダッシュ!そんな驚くような急ぎっぷりは、まさか漏れそうだったのだろうかと疑うほど。果たして遊びが楽しくて、トイレぎりぎりまで我慢していたのだろうか。
トイレへ猛ダッシュした猫をよく見ていると、トイレがすんで排泄物に砂をかけたあと、離れる時ものんびり離れることはあまりないようだ。それどころか急いでその場を去ろうと、再びダッシュすることが多い。
この「トイレへダッシュ&トイレからダッシュ』のわけは、猫の野生時代の習性にある。捕食動物とはいえ、猫にはたくさんの警戒すべき敵がいた。排泄物のにおいから「ここにいる」と知られることが即命取り。安息所である自分の寝床の位置を敵に知られないように猫は歯移設を寝床から離れたところでするようになっていた。しかし排泄に向かう時も、寝床へ戻るときも、どんな危険が待ち構えているかわからない。そのためか、猫は急いで排泄場所へ行き用が済んだら、においを発しないように丁寧に砂や土をかけて埋めた後、また急いで安全な寝床へかけ戻ろうとするのだ。安全な家の中で暮らす今のペットの猫にも、まだ「トイレへの行き帰りは危ないからダッシュで!」という、先祖の習慣が残っているのかもしれない。
猫が慌ててトイレの後に安全な寝床などへ駆け戻ろうとするのは、野生時代の名残の現れ。