その時の気分で、飼い主に求める役割が変わる!

自分が甘えたいときには思いっきり甘えてくる。だが自分がそんな気分じゃないときは呼んでも知らんぷり。そうかと思うとオモチャをくわえて「遊ぼっ!」と誘ってきて、自分が飽きるとすぁっさと寝床へ行ってしまう。膝に乗ってこっちを見上げてニャアと鳴いたり、おやつをねだって飛びついてきたり、いつでも猫は勝手気ままに飼い主を翻弄する。

 「いったい私のことを何だと思っているの?」

 飼い主なら一度は猫にぶつけてみたいこの疑問。もし猫が人間の言葉をしゃべれたとしても、この答えは尋ねるたびに猫の気分次第でコロコロ変わるだろう。社会性を大切にする犬なら「自分にとってお父さんはリーダー、お母さんは母親、お兄ちゃんは遊び友だち、弟は家来」などと、飼い主たちそれぞれに役割が決まっていて、相手によって接し方を変える。だが猫の場合は「今は甘えさせてくれる母親」「今は遊び友だち」「今は恋人」というふうに、そのときの気分で、「なってほしい役割」は違う。飼い主たちはそのときによって猫の「母親」だったり、「遊び友達」だったりするのだ。そして構って欲しくない時は「単なる同居人」程度でいてほしいと思っているに違いない。しかし猫好きにとっては、そんなワガママ気ままな性分だからこそ、甘えてきたときの嬉しさは倍増するというものかもしれない。

 

猫は自分のその時の気分で、飼い主に「なってほしい役割」を求める